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吸入剤・点鼻剤の空気力学的粒度測定装置 APSD Testing System

吸入剤・点鼻剤の空気力学的粒度測定装置
APSD Testing System

Copleyの吸入剤・点鼻剤の空気力学的粒度測定装置は各国の薬局方に準拠した試験システムです。
空気力学的粒子径分布(APSD: Aerodynamic Particle Size Distribution)は、送達量とともに経口吸入・経鼻製剤の、in vitro特性評価において主要な試験項目です。APSDは、移動する空気流の中で粒子がどのように振る舞うかを定義します。つまり、肺沈着、ひいては潜在的な薬効の解析に直接関連するため、吸入剤や点鼻剤の研究開発や品質管理において非常に重要な測定です。

  • 概要

各国の薬局方に準拠した吸入剤・点鼻剤の空気力学的粒度(APSD:Aerodynamic Particle Size Distribution)試験システムです。吸入剤や点鼻剤から生成されるエアロゾルの粒度分布を確認するための試験装置です。

一般的に、5μmを超える粒子は口腔内壁に衝突し、飲み込まれ、1μm未満の粒子は気流に残り呼気で吐き出される可能性が高くなります。よって、経口吸入・経鼻製剤(OINDP)から投与された薬物粒子が肺内に沈着し治療効果を発揮するためには、粒径が1~5μmの範囲であることが理想的です。このことから、5μm未満の粒子サイズで噴霧された薬物の質量は、通常FPM(fine particle mass)またはFPD(fine particle dose)と表記され、経口吸入製剤(OIP: orally inhaled products)において、非常に重要な測定基準です。

吸入・点鼻剤デバイスによって試験システムが異なります。下記はCopley社推薦のシステム組み合わせ表です。各国薬局方への準拠に関しては、別途お問い合わせください。

空気力学的粒度(APSD)試験システム組み合わせ表
サンプル導入 分級捕集
インパクターは☆から一つ選択
コントロール 吸引
APSD試験装置

吸入・点鼻デバイスの種類

マウスピースアダプタ/ノーズピースアダプタ インダクションポート プレセパレータ 拡散チャンバー 流量計(DFM)+アダプタ NGI ACI MSLI GTI 内蔵フィルターホルダ NGIクーラ 気流コントローラ
BAC
臨界気流コントローラ
TPK
ポンプ 高容量ポンプ
MDI
吸入補助具付きMDI
DPI
ネブライザー
(JP)
吸入液滴剤(ADIs)
点鼻スプレー
点鼻エアロゾル
点鼻粉末剤

MDI: 吸入エアゾール剤
MDI with a Spacers/VHC: 吸入補助具付き吸入エアゾール剤
DPI: 吸入粉末剤
Nebulizer: ネブライザー
ADIs: 吸入液滴剤
Nasal Sprays: 点鼻スプレー/Nasal Aerosols: 点鼻エアロゾル
Nasal Powders: 点鼻粉末剤

MDI(吸入エアゾール剤) のAPSD測定システム

【MDIの空気力学的粒度測定システム】NGI+BAC+ポンプ+DFM

吸入エアゾール剤(MDI)の空気力学的粒度(APSD)試験は、通常、アンダーセンカスケードインパクター(ACI)を使用する場合は28.3 L/min、NGIを使用する場合は30 L/minの流量で実施されます。気流コントローラー(BAC: Breath Actuation Controller)を使用すると、Breath Actuated MDI(BAM)を試験する際に、捕集開始のタイミングを遅延させることもできます。
MDI測定では、プレセパレーターは必要ありません。インパクター内での粒子の跳ね返りや再飛散を防ぐために、プレートやカップをコーティングすることがありますが、製剤に界面活性剤が含まれている場合は一般的に必要ありません。分析に十分な捕集量を得るために、通常複数回の投与が必要です。
MDI の APSD 試験の詳細については、各薬局方の本文を参照してください。スペーサーまたはバルブドホールディングチャンバー(VHC)を使用する場合は、MDI with a Spacers/VHCを参照してください。

※MDIのAPSD測定には、分級捕集装置として NGIACIMSLIGTIを使用できます。

NGI

NGI

ACI

ACI

MSLI

MSLI

GTI

GTI

MDI with a Spacers/VHC(吸入補助具付き吸入エアゾール剤) のAPSD測定システム

【スペーサー付きMDIの空気力学的粒度測定システム】 NGI+BAC+ポンプ+DFM

MDIと一緒にスペーサーや バルブ付きチャンバー(VHC: Valved Holding Chamber)などの吸入補助具を使用する場合、そのチャンバー内で粒子の分散、衝突、堆積などが起こり、 MDI から直接噴霧される場合とは粒子径分布が大きく異なる可能性があります。この可能性を適切に評価するために、噴霧から捕集のタイミングを正確に再現するなどの調整が必要です。

※吸入補助具付きMDIのAPSD測定には、分級捕集装置として NGIACIを使用できます。

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DPI(吸入粉末剤) のAPSD測定システム

【DPIの空気力学的粒度測定システム】プレセパレーター+NGI+TPK+高容量ポンプ

吸入粉末剤(DPI)のAPSD測定は、通常、DDUテストと同じ条件(4kPaの圧力降下を発生するような流量/臨界気流発生下)で行われます。しかし、APSD測定特有の特徴が何点かあります。
プレセパレーターは通常、インダクションポートとカスケードインパクターのステージ0との間に接続され、大きな(吸入されないサイズの)キャリア粒子を捕集して、インパクターの過負荷を防止します。
DPI のDDU試験同様、臨床使用中の患者さんの平均吸入流量を近似するために、インパクター内部が外気圧に対して4kPaの圧力降下となるよう試験流量を設定します。
また、粒子の跳ね返り及び再飛散を低減するため、試験法開発の一環としてカップコーティングを検討し、バリデートする必要があります。

※DPIのAPSD測定には、分級捕集装置として NGIACIMSLIGTIを使用できます。

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Nebulizer(ネブライザー) のAPSD測定システム

【ネブライザーの空気力学的粒度試験システム】NGIクーラー+NGI+BAC+ポンプ+DFM

ネブライザーのような溶液中の薬物の回収においては、インパクター自身の熱によって通過する液滴が蒸発することが、問題となることがあります。
溶媒が失われると液滴のサイズが小さくなり、人為的な要因でAPSD 測定値が低く得られるため、整合性が損なわれます。この問題を解決するには、インパクター本体を約 5℃ に冷却することが推奨されます。
ネブライザーの APSD 試験に採用される推奨流量 15L/minは、他の OINDPの試験流量よりも低いものですが、その理由は、採用される呼吸の様子に近づけるためです。

※ネブライザーのAPSD測定には、分級捕集装置としてNGI(USP/EP)、GTI(JP)を使用できます。

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ADIs(吸入液滴剤) のAPSD測定システム

【ADIの空気力学的粒度測定システム】NGIクーラー+NGI+BAC+ポンプ+DFM

吸入液滴剤(ADI)のAPSD測定の場合、ネブライザーの場合と同様に、インパクター自身の熱による液滴の蒸発が問題になることがあります。溶媒が失われると液滴のサイズが小さくなり、人為的な要因でAPSD 測定値が低く得られるため、整合性が損なわれます。この問題を解決するには、インパクター本体を約 5℃ に冷却することが推奨されます。
アクティブデバイスに分類されるADI試験の推奨流速は、ACIでは28.3 L/min、NGIでは30 L/minです。
※現在、ADIに関する薬局方や規制のガイダンスはまだありませんが、ADIは MDIの定量投与技術とネブライザーの水性エアロゾル液滴生成技術を組み合わせたものと考えられます。ここで紹介する試験システムは、この複合した特徴を反映しています。

※ADIのAPSD測定には、分級捕集装置としてNGIACIを使用できます。

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Nasal Sprays(点鼻スプレー)・Nasal Aerosols(点鼻エアロゾル) のAPSD測定システム

【点鼻スプレーの空気力学的粒度測定装置システム】拡散チャンバー+NGI+ポンプ+DFM

【点鼻エアロゾルの空気力学的粒度測定装置システム】拡散チャンバー+NGI+ポンプ+DFM

典型的な点鼻剤(点鼻スプレー、点鼻エアロゾル、点鼻粉末剤)は、主に20~200μmの範囲のエアロゾルを生成しますが、これはカスケードインパクターが分級捕集する有効範囲外です。しかしながら、ほとんどの点鼻剤は、同時に10μm未満の微小なエアロゾル(一般的には<5%)も発生させます。
この範囲の微小なエアロゾルの量を定量化することは重要です。なぜならそれは、鼻腔を超えて下部呼吸路または肺に侵入することが望ましくない場合がある薬物の量だからです。
規制当局は、点鼻剤から噴霧されるエアロゾルの肺内沈着の潜在的リスクを評価するために、拡散チャンバーと併せてカスケードインパクターを使用し、10μm未満の薬物量を定量化することを推奨しています。

※点鼻スプレーのAPSD測定には、分級捕集装置としてNGIACIを使用できます。

※点鼻エアロゾルのAPSD測定には、分級捕集装置としてNGIACIGTIを使用できます。

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Nasal Powders(点鼻粉末剤) のAPSD測定システム

【点鼻粉末剤の空気力学的粒度測定装置システム】NGI+TPK+高容量ポンプ+DFM

点鼻粉末剤から発生する10μm未満の微小粒子は、鼻腔を超えて下部呼吸路または肺に侵入することが望ましくない場合がある薬物の量であるため、定量化することが重要です。点鼻粉末剤のAPSD測定は、通常DPIのAPSD測定と同様の条件下で行われます。ただし、プレセパレーターは必要ありません。

※点鼻粉末剤のAPSD測定には、分級捕集装置としてNGIACIGTIを使用できます。

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