粉体展延性分析装置 SpreadStation Powder Analyzer
- 概要
- 特徴
- 仕様
- 導入事例事例
SpreadStation Powder Analyzer (スプレッドステーション粉体展延性分析装置)は、粉末を実際に層に広げ、粉体層の重量変化、層高さ、画像を独立して測定し、粉末の広がりやすさを分析します。
粉体は、フィーダーと散布プレートを含む散布装置に装填されます。 散布装置がビルドプレート上にあり、底部に調整可能なギャップがあることで、粉体層の厚さを制御します。 ビルド プレートを回転させて、散布装置とビルド プレートの間に直線運動を生じさせます。 この直線運動により、粉体がビルド プレートの層に広がります。 作成された粉体層の画像が撮影され、レーザー距離センサーを使用してレイヤーの厚さが測定されます。 次に、スクレイピングブレードによって層をビルド プレートから取り除き、重量を測定します。
フィーダーは角度変更可能なものなど3種、散布プレートは平板など3種ございます。
SpreadStation には最大 4 つのスプレッダーを装備でき、ビルド プレートはソリッド プレートまたはパウダー ベッドにすることができます。
散布速度は 1 ~ 300 mm/s の範囲でプログラム可能です。 塗布層の厚みは20マイクロメートルから2ミリまで設定可能です。 ビルドエリアは250℃まで加熱できます。
評価イメージとして伸びの良い合金と伸びの悪い合金の画像を示します。
測定
SpreadStation によって作成された層は、3 つの独立した測定システムで分析され、独立したデータが得られます。測定システムは次のとおりです。
1) 重量システム
2) レーザー三角測量距離システム
3) イメージングシステム
・重量システム
散布される粉体の質量を経時的に測定します。ロード セルを使用して粉体の質量を測定し、24 ビット A/D コンバータを使用してロード セルの読み取り値をデジタル化します。出力データは以下です。
展延効率: 拡散密度と材料密度の比率です。 展延効率 100% は、展延層が材料の固体層と同等であることを意味し、展延効率 0% は層に粉末がないことを意味します。
展延層密度: 粉体層の密度、単位はg/cm3
展延排出速度: スプレッダーから時間の経過とともに出る粉体の質量、単位はg/cm
展延層均一性: 試験開始から試験終了までの層密度の均一性、単位 %
・レーザー三角測量システム
作成された粉体層の厚さを測定します。出力データは以下です。
層の厚さ: 経時的に測定された粉末層の厚さ、単位はマイクロメートル
層の厚さの均一性: 粉体層の厚さの不均一性、単位 %
・イメージング システム
イメージングシステムは、作成された粉体層の画像を収集するデジタル カメラと LED で構成されています。 次に、画像解析ソフトウェアを使用して、層の品質に関する情報を抽出します。
面積被覆率: 画像の総面積に対する粉末で被覆された画像の面積の比率で、単位は % です。
チャネル検出: 粉体層であるチャネルがあるかどうかを判断し、チャネルの幅、単位 % チャネル、幅ミリメートルで出力します。
波の検出: 画像解析ソフトウェアは、粉末層に波があるかどうかを判断し、その幅、単位 % 波、幅ミリメートルで出力します。
測定例
SUSサンプルの例です。150μmの高さ設定で塗工速度を上げながら、平らな固定展延プレートを使用した結果です。
展延速度 | 展延効率 | 層密度 | 展延比率 | 層厚さ |
50 mm/s | 49.3% | 3.95 g/cm3 | 206 mg/cm | 158 um |
100 mm/s | 38.3% | 3.06 g/cm3 | 157 mg/cm | 117 um |
150 mm/s | 31.4% | 2.51 g/cm3 | 129 mg/cm | 100 um |
200 mm/s | 22.8% | 1.83 g/cm3 | 94 mg/cm | 72 um |
- 特徴
・粉体層形成時の実際の展延性を試験的に評価
・4測定同時
・製造に適したフィーダー、散布プレートの選択
・粉体層の重量変化、層高さ、画像を独立して測定
- 仕様
展延速度 | 10-300 mm/sec |
層高さ | 20-2000 um |
ビルドプレート | 固体平板または粉体ベッド |
サンプルサイズ | 5~25 cm3 |
温度 | 室温~250℃ |
移動距離 | 制限なし (通常100 cm程度) |
同時層形成 | 4層 |
分析時間 | 2分程度(通常) |
- 導入事例
・3Dプリンタ用粉体
・粉体塗装