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<JASO M609にも導入>腐食試験機 塩水シャワーとは

鉄製品をはじめとするあらゆる物質は、実環境に暴露されることによって腐食していきます。腐食試験機では、自然環境にある腐食要因を用いることによって、製品の耐食性を確認することが可能です。
腐食試験機では、従来から噴霧方式にて塩水を付与しておりました。これは、微粒子状の塩水溶液を自由落下で被評価物に付着させる方法です。1919年に発行されたASTM B117を筆頭にこれまでの腐食試験においての主たる塩水付与方法として利用されてきました。
一方で、塩水噴霧ではない新たな塩水付加方法として台頭してきたのが、塩水シャワー方式です。

塩水シャワー方式とは

塩水シャワーとは、溶液を直接加圧によって噴出させる、粗い液滴のスプレーの事を指します。ゼネラルモーターズ社が作成したGMW14872をはじめとして、最新の国際的自動車メーカーでは、塩水噴霧ではなく塩水シャワーにて塩水付与を行うような傾向があります。また、シャワー噴出方式も複数あり、塩水噴霧のように下から上に吹き上げる「ボトムシャワー方式」もあれば、槽内上部から吹きかける「オーバーヘッドシャワー方式」もあります。Ford社の規格、Ford CETP 00.00 L-467等ではオーバーヘッドシャワー方式を必須条件としています。

また、2024年の5月から日本の自動車腐食試験規格の中心である、JASO M 609が改訂されました。新 JASO M 609では塩水シャワーが採用されたことで、日本の自動車規格にも塩水シャワーが一般化しつつあります。

塩水シャワーと塩水噴霧の比較について

塩水噴霧と塩水シャワーの違いは1番の違いは流量です。シャワーの方が液滴が大きい分、単位時間により多くの塩水をサンプルに付与することができ、短い時間でサンプルを濡らすことが可能です。さらなるシャワーと噴霧との違いや、比較試験結果についてはガイドブックをご覧ください。

塩水シャワーも実施可能なQ-FOG CRHモデルとは

測世界的な腐食試験機メーカーQ-Lab社が販売する複合サイクル試験機Q-FOGでは、塩水噴霧だけではなく塩水シャワーの機能も有しています。

このように、Q-FOGでは①精度の高い温湿度管理と移行制御②塩水噴霧の塩水シャワー双方への適用が可能なため、下記のような幅広い自動車試験規格に対応が可能です。

塩水シャワー規格ガイドブック

塩水シャワー規格ガイドブックをダウンロードいただくと、さらに次のような内容について知ることができます!

  • 塩水シャワーと塩水噴霧の違い(実験結果も含む)
  • 塩水シャワーの均一性
  • 塩水シャワー実用例

1分の簡単登録でダウンロードいただけますので、是非ご活用ください!