動的画像解析式 粒子径解析システム XPT
- 概要
- 特徴
- 仕様
- 導入事例事例
動的画像解析法による粒子径分布・粒子形状測定装置です。ラボおよびプロセスにおける液中分散粒子や粉体の粒子径、形状、検知個数をリアルタイムで測定できます。オプションで湿式、乾式の測定を一台で行えます。高分解能測定、粗大粒子検知、異形、異物検知に最適です。PS prozesstechnik社製品。
特徴: 粒子径、形状をリアルタイム測定
XPTは動的画像解析法を採用しています。動的画像解析式はCCDカメラで流れている粒子(湿式または乾式)を連続的に撮影する動的な測定で、数分で数千、数万の粒子数を検知することができます。他原理の粒子径分布計のような球換算の粒子径のみでなく直径、長さ、形状係数を解析できます。形状分布、形状により解析粒子を抽出することも可能で、多様な粒子分析が可能となります。個数測定のため粗大粒子や異物も高感度に検知します。主要な粒子径、形状パラメーターはもちろん完備しております(仕様の欄に定義径とその定義を記載)。
測定用ソフト
シンプルなデザインで簡便
測定時の画面です。左画面上:撮影画像、左画面下:解析条件で解析した二値化画像、右下、リアルタイム粒子径分布です。
測定条件が妥当か確認しながら設定ができ、簡便に鮮明な画像が取得できます。
測定粒子1個の情報の表示
二値化画面で粒子にカーソルを合わせるとその粒子の粒子径、形状数値が表示されます。1個の情報を得ることで、抽出、解析径の選択の参考になります。
高い汎用性
撮影動画の保存ができ、その動画をもとに解析条件を変えて再解析を行えます。動画は専用ソフト以外でも表示できます。他の装置で取得した画像や動画を測定ソフトに読み込ませることで解析も可能です。
解析用ソフト
定義径を選択し粒子径や形状分布をワンクリックで表示できます。PDF、CSVへデータ出力が可能です。粒子径・形状分布、散布図(2定義径のグラフ)、時間変化トレンド、撮影画像を表示できます。抽出(アスペクト比0.6以上のみ表示など)も簡便です。
撮影画像の確認
検知した粒子の画像を測定後確認できます。凝集体の確認、形状による粒子径を抽出する際の目安になります。
例) 縦軸:アスペクト比、横軸:円相当径
*測定、解析用ソフトはCFR21 part 11に対応できます。
測定例
1μm以上が測定対象です。様々な粒子、粉体、顆粒を測定できます。
- ガラスビーズ 3粒子混合
高分解能な測定が可能です。
- コロイダルシリカの凝集検知
数十nmの市販コロイダルシリカを希釈し、わずかに存在する凝集体を測定しました。含まれる凝集体の量はわずかですが、ロットによって違いが検出できました。
XPT装置ラインナップ
XPT-C:分散液測定
分散液をチューブポンプによってユニット前面のフローセル測定部に直接送液します。CCDカメラで連続的に画像を撮影し、リアルタイムで分析します。オプションにより、粉体測定も一台で行えます。小型でグローブボックスなど限られた空間でも使用しやすい設計で、また液体クロマトグラフィーへ接続も可能です。フローセルは最小200μm~1mmまで数種の幅をそろえております。セル幅は狭いほど検知の正確性が上がるためサンプルの最大粒子径に合わせて選択します。
オプション:溶融物中の測定のための加熱式フローセル(4~70℃)、偏光光源(非晶質、結晶質粒子の分類に適切)、バイアル撮影による分散安定性評価
XPT-CP:乾燥粉体測定
振動フィーダにより測定セルへ供給され自由落下する粉体の画像を撮影します。セル幅は手動で変更可能です。
XPTの使用方法(動画)
XPT-C 湿式の紹介です。小型で省スペースな装置をご確認ください
解析用ソフトの概要を紹介します。シンプルな画面で簡便です。
バイアル撮影オプション
バイアル瓶中の液中分散液をそのまま撮影します。粒子の沈降、浮上等を撮影し分散安定性評価が可能です。分離が数分、数十分で起きるものの観察に向いております。μm以上のフロック径を評価もできます。
下図はアルミナ粒子径違いの測定例です。左は撮影画像、上の表のY軸は設定画像領域の明るさ(brightmess)、横軸はボトル位置です(左セル上、右セル底)。青からオレンジが時間変化で上部から濃度が薄くなっていることを示します。例では8μm懸濁液の方がグラフの変化が大きく沈降が速いことを示します。下図はB任意のrightnessの時間変化をグラフ化したものです。
- 特徴
- CCDカメラによる画像測定より、球形換算でなく粒子径、形状の評価が可能
- 粉体の物性値は不要
- 小型で限られたスペースにも設置可能 300×300×120 mm
- リーズナブルプライス
- 簡便な操作性、ラボ用や粉体用オンラインあり
- 一台で湿式と乾式を測定可能(オプション)
- リアルタイム解析
- 多彩なオプション
溶融物中の測定のための加熱式フローセル(4~70℃)、偏光光源(非晶質、結晶質粒子の分類に適切)、バイアル撮影による分散安定性評価
- 仕様
分散液用粒子解析装置 XPT-C |
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構成 | 高出力LEDによる照明システムおよびCCDカメラを備えたステンレス鋼製筐体、フローセル、チューブポンプ、マグネチックスターラー、PCおよびソフトウェア、リアルタイム解析 |
測定範囲 | 1 µm ~1 mm(セル幅は最小200μmで最大1mmです。幅を選択可能です。)、最大解像度0.475 µm/ピクセル(校正で多少前後) |
最小試料量 | 1 ml |
粉体用粒子解析装置 XPT-CP |
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構成 | CCDカメラ、振動フィーダーユニットとコントローラーを備えたステンレス鋼製筐体、高出力LED照明付粉体用フローセル、PCおよびソフトウェア、リアルタイム解析 |
測定範囲 | 20 µm~3 mm (湿式にオプション付与可能) |
50μm~20mm (粉体測定のみ) | |
*乾燥粉体は付着があるため実質 約50μmからが現実的です。 | |
共通仕様 |
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筐体寸法 | 300 x 300 x 120 mm |
筐体材質 | ステンレス鋼 |
電源 | 115 / 230V、または12V充電池(オプション) |
解析可能なパラメーター
粒子径: μm
ワデルディスク径:Waddel DiskDiameter | 粒子と同じ面積のディスクの直径 |
周囲長:Perimeter | 粒子の外周の長さ |
最大フェレ径: Max FeretDiameter |
粒子をはさむ2本の平行線間の最大の距離 |
短軸径: Bounding Rectangle Short Side |
粒子の輪郭に接する長方形(= 最小面積の長方形)の最短辺の長さ |
長軸径: Bounding Rectangle Long Side |
粒子の輪郭に接する長方形(= 最小面積の長方形)の最長辺の長さ |
等価長方形短軸径:Equivalent Rectangle Short Side | 等価長方形(= 粒子と同じ面積と周囲長を持つ長方形)の最短辺の長さ |
等価長方形長軸径:Equivalent Rectangle Long Side | 等価長方形(= 粒子と同じ面積と周囲長を持つ長方形)の最長辺の長さ |
形状パラメーター: 0 ~ 1 無次元
円形度:Circularity | √(4×π×Area/Perimeter2)は、面積等価ディスクの周囲長を粒子の周囲長で割った値です。このパラメータは、輪郭の滑らかさを考慮して、粒子の形状が完全なディスクからどの位ずれているかを表します。 ・球形の滑らかな粒子==> 1 ・非球形または粗い==> 0 |
真円度:Roundness | ワデルディスク径を最大フェレ径で割った値。これは粒子の円形度を定義する別の方法ですが、滑らかさとは独立しています。それは、粒子のコンパクトさと定義することもできます。 ・コンパクトさ、または球形粒子==> 1 ・細長い粒子==> 0 |
アスペクト比:Aspect Ratio | 外接長方形の短辺を外接長方形の長辺で割ったもの。どの位細長い粒子があるかを説明します。 ・短い二次粒子==> 1 ・細長い粒子==> 0 |
包絡度(凸性):Convexity | コンベックスハル(凸包)周囲長/周囲長。コンベックスハルは、粒子のすべての点(粒子周りのゴム輪)を含む最小の凹凸多角形です。それは粒子のエッジラフネスの測定です。(補足:包絡度 = 包絡周囲長 / 実際の周囲長 ,) ・滑らかな粒子==> 1 ・粗い粒子または亀裂のある粒子==> 0 |
面積包絡度 充実度:Solidity | 面積/凸包面積(コンベックスハル)。それは、粒子の全体的な凹凸の尺度、またはどのように充填されたか、どのように硬い粒子であるかの尺度です。(補足: solidity =実際の周囲長を巻き付けた面積 / 包絡周囲長を巻き付けた面積) ・コンパクトな固体粒子==> 1 ・軽くふわふわした亀裂のある粒子==> 0 |
フラクタル:Fractality | 粒子の周囲長/面積相当円の周囲直径。粒子がどれだけフラクタルかどうかを示す。 ・球または滑らかな粒子==> 大 ・非球または粗い粒子==> 1、 範囲は1以上 |
等価長方形対辺比: Ratio of Equivalent Rectangle Sides |
等価長方形長辺を等価長方形短辺で割ったもの。アスペクト比とほぼ同じです。 ・短い二次粒子==> 1 ・細長い粒子==> 0 |
真直度:Straightness | 最大フェレ径を等価長方形長辺で割ったもの。細長い直線状の粒子(ニードル)を曲がりくねった繊維状の粒子から区別するのに役立ちます。 ・ストレート粒子==> 1 ・曲がりくねった粒子==> 0 |
- 導入事例
● 分散液中の粒子、粉末、液滴または泡、ファインバブル
● 粗大粒子、異形、異物の検知、粒子径、形状評価
● 製薬用材料 結晶化の評価
● 食品、製薬、ポリマー、化学薬品、電極スラリー、オイル等 懸濁液、粉体全般