流動電位方式 コロイド粒子電荷量計 CAS touch!
- 概要
- 特徴
- 仕様
- 導入事例事例
コロイド粒子の電荷は分散系の安定性に影響し、さらに表面評価で重要な項目です。電荷量(チャージ)を把握することで系を安定化させるための分散剤量や凝集に必要な添加剤量を把握できます。粒子表面評価で重要な等電点測定や、コロイド・高分子の正負判断も可能です。流動電位法のため、ゼータ電位計では測定しづらい大粒子、高濃度、高粘度試料の測定が可能です。
本装置はタッチパネルで操作もでき、小型で持ち運びもしやすい設計です。タッチパネルと、解析ソフトウエアは日本語表示可能です。
原理
テフロンセル(measuring cell)に水系試料を入れるとコロイド状溶存粒子がファンデンワール力の作用でセルとピストン(piston)の表面へ吸着します。ピストンの上下運動により、測定セル壁(wall)とピストン間の一定の狭いギャップに試料液の強力な流れが生じます。その結果、コロイド状の溶存粒子の周囲のカウンターイオン層に歪を生じ電位差が生じます。それを流動電位として検知します。その電位の反対の電荷の高分子電解液を滴定することで電荷量を測定します。pH滴定液を使用すれば等電点測定も可能です。
測定例
アルミナ粒子 等電点測定
初期pH=4.3のαアルミナ10wt%/0.01M KClスラリーと濃厚試料を0.01N KOHでpH=10まで滴定し、等電点を測定しました。文献でよく知られているアルミナの等電点pH=8.8が得られています。等電点付近で静電的な反発が小さく系は凝集しやすい状態です。金属酸化物は製造条件で水酸基のつき方がかわるため等電点が変わります。そのため等電点は粒子表面管理で重要な項目になります。
凝集剤
4種の凝集剤の電荷量を比較しました。電荷はマイナスで電荷量に違いがあることが確認できました。
製紙産業
リサイクル紙を原料にした製紙生産ではアニオントラッシュ除去が効率的に紙を生産するうえで重要です。アニオントラッシュを除去するための凝集剤Fixing agentの効果確認で電荷量測定が使用されています。下記は塗工用紙のパルプスラリーの例です。赤はfixing agent添加前で、滴定量約3.2mLに対し、添加後(青)では約0.6mLとなり、添加によりパルプスラリーの電荷量が下がっていることが確認できました。
装置紹介ビデオ
小型、簡便性をご確認ください。
- 特徴
- ピストンの上下運動により流動電位を測定。試料と反対の電荷の高分子電解液を自動滴定し電荷量を測定します。pH滴定液を使用すれば等電点測定も可能です。色に影響なく、高濃度、高粘度試料も測定可能です。
- 分散系の電荷量・等電点・正負判断、アニオンカチオン要求量 等の評価
- 幅広い測定対象:原液、高濃度、高粘度、粒子径範囲(数nm~数100um)、高分子
- コンパクトな設計 約4kg、 ポンプ内蔵で持ち運びが簡単
- 最新のタッチパネル制御、日本語表示、簡便な操作性
- 高再現性
- 選択可能な滴定モード
- 外付け滴定ポンプの取り付け(オプション)
- 仕様
測定項目 | 流動電位値-5000~+5000 mV(表示分解能1 mV) pH値0~14(表示分解能0.01pH)*オプション アニオン・カチオン要求量0~25 ml(表示分解能1μl) 酸・塩基要求量 表示分解能1μl |
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分注システム | 定量滴定モード、ダイナミック滴定モード、分解能10μl |
滴定再現性 | ±1%以内(標準コロイド滴定溶液) |
測定試料 | 試料量Min. 10 ml、 導電率Max. 11 mS/cm |
電源 | 100~240V、45~65Hz |
保護フューズ | 800mA(2個) |
重量 | 3.3 – 4.25 kg(本体) |
寸法 | 170(W)×285(H)×170(D) mm |
- 導入事例
・粉体、顔料の等電点測定
・飲料、酒類の安定性、総電荷量測定
・製紙業界:アニオントラッシュレベル制御による操業性の改善、薬品コストの軽減、カチオン・アニオン要求量
・排水処理:凝集剤添加量の最適化、凝集剤選定、スラッジ脱水効率の開園
・電荷の正負判断:化学薬品、分散剤、高分子の電荷性能、選択、スラリー評価
・両性高分子の電荷量
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