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光沢とは?

アピアランスとは、つまり外観を意味します。人の第一印象は見た目で決まるとよく言われますが、製品に関しても 同様で、外観は製品に対する第一印象にもなります。そのため外観は製品の品質の良し悪しを左右する程の重要な特性とも言えます。また、製品の用途に合わせ たり、他の製品との差別化を図ったりするためにも外観は重要視されています。製品を生み出す中で外観は重要な特性の一つなのです。 外観と一言で言っても人間の目は複雑であるため、客観的に表面品質を評価するには様々なパラメータで測定する必要があります。表面品質に関する重要な測定 パラメータとして代表的なものが、「光沢度」、「ヘーズ」、「写像性」であり、これらのパラメータを測定することにより表面品質を数値化し、製品が持つ本 来の表面品質を認識することができます。

光沢とは

なぜ表面が輝いて見えるのか

人間はガラスが磨かれた金属などを見たときに、つやがあり、輝いていると感じます。一方で和紙のように粗さがあり、ザラザラしている表面を見たときは、そのようには感じません。

img_qa_01光 が物体に当たると、物体表面で反射した光が人間の目に入ります。ガラスや磨かれた金属のような滑らかな表面に光があたると、入射光のほとんどが表面で入っ てきた角度と同じ角度の一方向に反射します。つまり、入射角と反射角は等しくなります。このような反射のしかたを鏡面反射と言います。滑らかな表面は、ほ とんどの光が鏡面反射するため、つやがあり、輝いているように見えます。

img_qa_02一 方で和紙のように粗い表面に光があたると、入ってきた光は様々な方向に反射します。光は分散するため、表面に入ってきた角度と同じ角度で反射する光は少な くなります。このような反射のしかたを拡散反射と言います。粗い表面は、鏡面反射する光が少なくなるため、表面が輝いているようには見えません。

光沢は製品の良し悪しを左右する

つやがあり、輝いている物体表面の性質を光沢と言います。光沢は色と同様に人間の視覚を通じて心理的影響を与えます。そのため、光沢は最終的な品質の良し悪しを左右する程の重要な特性であり、品質の差別化において重要視されています。
また、光沢表面、無光沢表面それぞれメリット・デメリットがあるため、用途によって光沢の度合いを考えることも重要になります。例えば液晶ディスプレイの 場合、光沢液晶だと画面の色が鮮やかで静止画や映像が綺麗に見えますが、外光の映り込みが大きいというデメリットがあります。一方で、低光沢な液晶は外光 の映り込みが少なく、長時間の使用でも目への負担は軽いですが、光沢液晶に比べて静止画や映像の発色が地味であるというデメリットがあります。
よって、物体表面の性質を評価するために光沢を測定することは重要であり、光沢を表す尺度として光沢度が定められています。

測定方法

国際規格JIS(Z8741)では、輝きを表す尺度として光沢度を定めています。そこでは「光沢(鏡面光沢)とは鏡面反射光の強さによって定められ る視知覚の属性」と定義されており,規定の方法にて測定した数値を「光沢度(鏡面光沢度)」としています。光沢度は、光源から規定された入射角θで試料表 面に光を入射し、鏡面反射方向に反射角θ´で反射する光を受光器で測定します。
規格では、屈折率1.567の黒色鏡面ガラス板を基準とし、規定された入射角θでの鏡面反射率を鏡面光沢度100と定義しています。表1は基準となるガラス板の鏡面反射率ρ0(θ)と、入射角θとの関係を表します。よって、光沢度測定値は基準面との相対値になります。

表1 鏡面反射率ρ0(θ)と入射角θとの関係

表1

JISに規定されている光沢度の測定方法では、光沢の度合いによって、入射角が5つに区分されています。これらには,それぞれ適用範囲があり、入射角60°による光沢度が10 以下の表面は85°で、70を超える表面は20°で、それぞれ測定することが規定されています。

表2 測定方法の種類

表2

図1のグラフは13サンプルを低光沢から高光沢まで視覚的に分類し(数字が大きくなるほど高光沢を示しま す)、20・60・85°の3角度で測定したデータです。グラフより、入射角により光沢度は大きく異なることが分かります。また、入射角により光沢値の飽 和が起こっていることが分かります。

例えば、入射角20°の場合、低光沢範囲では測定値の飽和が起こっているため、サンプル間の差が見えづらくなってしまいます。
サンプルの光沢によって適用範囲が異なるため、適切な入射角を選択する必要があります。

測定結果は光沢度の値及び測定に用いた装置名を、一般に次に例示する方法によって記載します。単位は記載しないことが多いですが、%やGU(Gloss Unit)で記載することもあります。
例 Gs(60°) = □ ○○製○○形光沢度計

図1 入射角20,60,85°で測定した低光沢から高光沢サンプルの光沢度

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光沢度の測定可能な装置はこちら:Rhopoint IQ>> Novo Gloss>>Novo Curve>>