粒子分散とは?
1. 粒子分散とは?
「分散」とは理化学辞典によれば、「一つの相にある物質内にほかの物質が粒子となって散在する現象」と定義されます。前者を分散媒(dispersing medium)、後者を分散質(dispersoid)と呼びます(図1)。また、そのような状態にある系を分散系(dispersed system)と呼びます。
図1:分散媒と分散質
2.粒子分散系の製造及び特性
粒子分散系は大きくトップダウン法(粒子凝集体の解砕)あるいはボトムアップ法(溶液等からの粒子の析出)によって製造されます。製造された粒子分散系で分散媒が液体である場合、エマルション(液体 in 液体)、スラリー(個体 in 液体)、ペースト(個体 in 液体、高粘性のもの)と呼ばれます。
粒子分散系の特性として、凝集の度合いによって、弱い凝集(agglomeration)、軟凝集(flocculation)、凝集(aggregation)が存在し、また、分散媒と分散質の密度の違いによって浮上(flotation)、沈降(sedimentation)特性が存在します(図2)。このような粒子分散系特性は目的に応じて適切に制御される必要があります。例えば、水処理の場合は水中の微粒子を分離除去する必要があるために、微粒子を凝集方向へ制御する必要があり、反面、インクジェットインクの場合、長時間目詰まりなく、きれいな印刷ができるようにするために、分散系を最適化して、微粒子を安定化させる必要があります。
図2:粒子分散系の代表的な特性
3.粒子分散系の最適化及び評価装置
粒子分散系は大きく三つの工程を経ます。濡れ→解砕→安定化です。そして粒子分散系の特性に影響を与える因子と評価項目として、粒子界面の濡れ(Wettability)、粒子径及び分布(Particle size and its distribution)、粒子形態(Particle morphology)、ゼータ電位(zeta potential)、レオロジー(Rheology)、安定性(Stability)が考えられます。近年粒子の微細化、高機能化、省エネ-、粒子分散系を構成する要素の複雑化に伴い、このような微粒子分散系の分散・凝集状態を的確に把握することは重要な課題であり、その解決は分散系の最適化に繋がります。
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