学ぶ・知る

PMI検査とは?

PMIは、Positive Material Identificationの略であり、主に金属原料の受入れ時や加工用機械への投入前、更には材質確認の一環として製品出荷前に行われる検査です。製品出荷後にも腐食や割れなどのトラブル報告もあり、事故解析としても PMI 検査は非常に重要かつ有効なプロセスになります。測定手法としては発光分光分析法と蛍光X線分析法の2つの方法が広く利用されており、用途に応じて使い分けをします。

PMI検査の重要性

鋼材にはミルシート(*)が添付されており、鋼材の品質を保証する書類として利用されています。しかしながら、輸入品などの鋼材には異材混入やミルシートと成分が異なるケースも報告されており、金属加工メーカーとして、原料の受入検査、加工前の材料取り間違え検査、加工後の出荷前検査においてPMI検査を実施することで、自社製品の品質、信頼性を保証する動きが増えています。

*ミルシートとは、鋼材の材質を証明する添付書類のことで、製作所(mil)が発行する書類(sheet)という意味からミルシートと呼ばれています。

 

測定手法 – 発光分光分析法

発光分光分析法は、品質管理等で使用可能なポータブル金属成分分析器があり信頼性のある分析結果・合金判別ができます。 工場や屋外に持ち運んでの測定も可能で、約10秒で分析結果・合金判別が表示されます。材料受入や出荷前検査、不良品検査に適しており、今まで測定が難しかった高所狭所でも鋼材の分析が可能です。発光分光分析装置のPMI-MSTER Smartは C(炭素) を高精度に検出できるため、鉄鋼原料の現場用成分分析装置としてご使用いただけます。研磨された試料にスパークプローブをセットし、スタートボタンを押すだけで検出可能。約 10 秒で分析結果 合金判定が表示され、保存ボタンで測定結果が保存可能。数10 ppm オーダーの測定が可能であり、高精度な分析結果を得ることが出来る。

測定可能な装置はこちら:PMI-MASTER Smart>>

発光分光分析法の特長

・ C(炭素) を測定できる

・測定時によりサンプル表面にスパーク痕が残る(破壊分析)

 

測定手法 – 蛍光X線分析法

蛍光X線分析法は、多元素を同時に定性定量分析が可能なエネルギー分散型の装置です。金属リサイクル、鋼材のPMI検査、RoHS調査、RPF塩素濃度測定、廃プラの塩ビ判別、文化財調査、土壌・鉱物の成分分析に適している。ハンドヘルド蛍光X線分析装置のX-MET 8000 Optimumは、作業現場で合金の成分分析や判別検査を非破壊で行える金属成分分析器です。鉄鋼、ステンレス鋼、アルミ合金、銅合金、ニッケル合金、特金、レアメタルなどを1台で分析できます。また、塩化ビニルに含まれる塩素濃度の分析や、膜厚測定も可能です。アルミ合金を含む加工材料の受入検査、加工製品の出荷前検査に適した携帯型の蛍光X線分析装置です。

測定可能な装置はこちら:X-MET 8000 Optimum>>

蛍光X線分析法の特長

・C(炭素)は測定できない

・測定時によるサンプル表面の破損がない(非破壊分析)