レオロジー評価
【レオロジー】
- レオロジーとは何か?
レオロジーとは、「物質の変形と流動を扱う科学」と定義されています。実際には、せん断変形に対する応力である粘度や粘弾性を評価することです。ペンキを匙でかき混ぜると、初めは固く抵抗を感じますが、混ぜていると次第に抵抗がなくなります。このような挙動を数値化するのがレオロジー評価になります。
- 粘度と粘弾性
レオロジー評価を行う装置には、粘度計とレオメーターがあります。粘度計は名前のとおり粘度を測定します。粘度とは液体の粘り度合いです。レオメーターは、粘度に加え、粘性と弾性を測定することができます。粘性は液体的な、弾性は固体的な性質です。ゲルのようなネットワーク構造を持つ物質は、粘性よりも弾性が大きい物質と言えます。
- レオロジーと分散評価
微粒子分散系は、初めは均一に粒子が分散していても時間がたつと不安定化し、凝集などを始めます。<分散安定性とは?(リンク)>
粒子同士が凝集するということは、粒子と粒子が相互作用を持つことになります。ここに外部から力を与えると、その微細構造に変化を与えます。レオロジー評価では、この微細構造の変化を流動に対する応答として得ることができます。より強い微細構造を持っているほどそれを壊すのにより強い力が必要になります。そのため、典型的な柔凝集している分散体は、せん断をかけると粘度が低下するShear-thinningという挙動を示します。
つまり、レオロジー評価によって、粒子間の相互作用があるか、またその強さを知ることができ、間接的に分散評価に役立ちます。また、原液のまま希釈することなく評価できるのも魅力です。
- 評価装置
分散系の粘・弾性評価、特に少量、低粘度、低い粘・弾性を精度よく評価したい場合、共軸二重円筒型レオメーターがお勧めです。
分散系がプロセスの中で高いせん断を受ける場合、実際のプロセスに違いせん断で分散系の粘度特性を調べることが重要です。また、ゲルのようなわずかなせん断でも構造が壊れてしまうために、非接触でコロイドの運動性を追跡するマイクロレオロジー評価がお勧めです。