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ゴム 耐候性試験

屋外の紫外線や雨水、結露に対して耐候性はありますか?

タイヤ

 

米国耐候性試験機(ウェザーメーター)・腐食試験機メーカーのQ-Lab社はゴム材料向けの耐候性試験機器および試験サービスにおいて、世界をリードする存在です。ゴム業界では、製品が屋外の太陽光にさらされる場面が非常に多く、耐候性試験は商品の品質を定めるにあたって非常に重要です。紫外線が照射される条件下ではポリエチレンやポリプロピレンが反応し劣化を起こしやすく、結果として、ブルーミング、ブリード、光沢値の低下、物性強度が損なわれ、商品としての適性を損ねることにつながります。

本ページではゴムの耐候性試験で最も有名な試験規格の一つであるJIS K6266 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム- 耐候性の求め方及び参照されているISO 4665 Rubber, vulcanized or thermoplastic — Resistance to weatheringの解説をします。

ゴムサンプルの耐候性を求めるにあたって大きく二つの方法があり、一つは屋外暴露試験、もう一つは耐候性試験機を用いた加速化試験になります。

屋外暴露試験について

屋外暴露試験は実際に屋外にサンプルを曝しておくことで、実環境下で引きおこるであろう劣化を再現することが目的です。非常に時間がかかる試験ですが、耐候性を求めるにあたって最も精確な方法のためすべての試験片を試験することはなくても、リファレンスサンプルのみのデータだけでも得ることができると製品寿命予測にあたって非常に有用です。JIS K6266では三種類の試験方法を規格化しています。それらは直接屋外暴露試験、アンダーグラス試験、太陽追跡集光暴露試験になります。直接屋外暴露試験は最も基本的な試験方法であり、ある特定の角度に傾いている暴露台にサンプルをそのまま設置し、屋外環境に曝し続ける方法です。一般的な暴露台確度は緯度角と45°といわれており、その理由は日中に太陽光の光を長い期間浴びる角度であるからです。ゴムサンプルは屋外で使用されるものもあれば車内のような屋内環境下で使用されるケースもあります。そのときにはアンダーグラス試験が推奨されており、窓ガラス越しの太陽光に曝す試験方法になります。窓ガラスはその性質から紫外線を多少カットし、屋外よりも弱い紫外線量になります。最後に、屋外に曝されるサンプルに対して加速化できる試験方法として太陽追跡集光暴露試験があります。これは特殊な暴露台になっておりフレネル反射鏡が太陽光を集光し、通常の暴露試験と比べて照度の高い環境を再現します。高照度な自然界の太陽光での試験となるため、劣化の加速化が狙える試験方法です。Q-Lab社ではフロリダ・アリゾナに屋外暴露試験場を有しており、世界中から依頼のある何万もの試験片が暴露試験されています。特にアリゾナ試験場では太陽追跡集光暴露試験装置Q-Tracがあり、非常に人気です。

Q-Trac photo

Q-Tracは太陽光を自動的に追尾し、常に高照度の光が試験片に照射するようになっています

耐候性試験機(ウェザーメーター)での試験について

耐候性試験機(ウェザーメーター)は屋外における太陽光の光と熱、そして結露や降雨からの水の三つの要素を制御し、ある特定の環境をつくりだすことができる装置です。JIS K6266では三つの試験機を規格化しています。それらはオープンフレームカーボンアーク灯式、キセノンアーク灯式、紫外線蛍光灯式になります。オープンフレームカーボンアーク灯式はこれらの中でも最も古い試験機として知られています。光源はカーボン灯という炭素棒を用いており、それを燃やすことで発光させ、その光でサンプルを劣化させます。この試験機はカーボン灯から発生するすすで光学フィルタや試験槽が汚れてしまったり、カーボン灯は寿命が短いため交換頻度が非常に速くメンテナンスが大変です。現在では欧州・米国をはじめほとんどの国がキセノンアーク式・紫外線蛍光灯式にシフトしています。キセノンアーク式はカーボン灯が使われていた当時に問題のあった「太陽光スペクトルの低い相関性」を解消した試験機になります。光源はキセノンアーク式にモデルチェンジされ、キセノンという元素は発光時に太陽光の紫外線・可視光・IR部を非常によく近似することが知られています。また、キセノンアーク灯にかける電圧を調整することができ、光の照度もコントロールすることができるようになりました。本規格では屋外暴露試験方法に合わせた光学フィルタを規格化しており、直接屋外暴露法の場合はデイライトフィルタ、屋内環境のアンダーグラス試験の場合には窓ガラスフィルタを使用し、それぞれの照度設定値も異なっております。

キセノンアーク灯式試験機Q-SUN(キセノンウェザーメーター)について

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Q-SUNキセノン促進耐候性試験機(キセノンウェザーメーター)での試験の様子です。フラットトレイタイプのため立体物サンプルもそのままの状態で容易に試験することができます。照度は屋外ベースの場合60W/m2 (300-400nm)、屋内ベースの場合50W/m2となっております。試験サイクルは102分照射試験、18分照射しながら噴霧(水スプレー)試験となっており試験機は水噴射可能なモデルが要求されます。

フラットトレイ式キセノン試験機Q-SUN(キセノンウェザーメーター)はこちら

紫外線蛍光灯式は紫外線のみを照射する蛍光灯を用いた試験機です。別名QUV試験機と呼ばれています。蛍光灯はキセノンアーク灯と同様に、電圧調整ができるため精確な照度コントロールが可能です。紫外線蛍光灯の場合はランプが二種類あり、UVA-340ランプとUVB-313ランプの二種類規格化されています。UVA-340ランプは屋外の太陽光を非常によく近似するため、相関性を求める試験においては最適です。一方、UVB-313ランプの場合は自然の太陽光からは地表に照射されないような強力なUVB波を照射します。よって、このランプでは高い劣化促進性を求める試験においては最適です。QUV試験機で最も特徴的な試験方法として結露試験があります。QUVは試験機下部の槽内に水をためることができ、ヒーターなどでその水を熱して蒸気化させます。その蒸気は結露としてサンプル表面に付着し、酸化・加水分解などの化学反応を促進させます。結露試験は紫外線照射から得られる劣化パターンと異なる結果を生みやすいことが知られており、主にクラッキング、クレージング、チョーキングなどの物性変化をもたらすことが知られています。

紫外線蛍光灯式QUV試験機について

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QUV紫外線蛍光ランプ式耐候性試験機でのサンプル試験の様子です。QUVの試験条件はASTM G154試験規格がベースになることが非常に多く、UVB-313 ELランプで槽内温度60℃照度0.71W/m2 4時間、槽内温度50℃での結露試験4時間、UVA-340ランプで槽内温度60℃照度0.89W/m2 8時間、槽内温度50℃での結露試験4時間となっております。QUVはQ-Lab社が初めて製作した試験機として広く知られており、試験方法の名称としても使われています。光源の寿命は平均8000時間と非常に長く、他社の装置と比べてランプ配置のデザイン設計が最も均一性の高いようにできています。照度校正も自動的に照度値を試験機にフィードバックできるため、運用コスト面で非常に優れた試験機です。

紫外線蛍光ランプ式促進耐候性試験機QUVについてはこちら

キセノン試験機Q-SUN (キセノンウェザーメーター)、紫外線蛍光灯式QUVを使った試験は以下を含む主要な業界試験規格を準拠した試験が可能です:

  • JIS K6266 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム- 耐候性の求め方
  • JIS K6404-4 ゴム引布及びプラスチック引布試験方法−第 4 部:耐久試験
  • ISO 4665 Rubber, vulcanized or thermoplastic — Resistance to weathering
  • ISO 3865 Rubber, vulcanized or thermoplastic — Methods of test for staining in contact with organic material
  • ASTM D1148 Standard Test Method for Rubber Deterioration—Discoloration from Ultraviolet (UV) or UV/Visible Radiation and Heat Exposure of Light-Colored Surfaces
  • ASTM D925 Standard Test Methods for Rubber Property—Staining of Surfaces (Contact, Migration, and Diffusion)
  • ASTM D750 Standard Practice for Rubber Deterioration Using Artificial Weathering Apparatus