分散安定性の測定法
分散安定性の評価方法
分散安定性の評価には古くから試験管テストが行われてきました。作成直後の分散液を試験管に入れ、一定温度で一定時間保持して状態変化を見るという方法です。安価で本来の条件に近い評価方法なので広く使われてきましたが、長い時間が必要で、かつ目視での評価となってしまうので得られる情報が限られたものとなることが問題でした。
そのため、近年では光散乱を使った機器での評価方法が主流となっており、タービスキャンという機器が標準機として広く知られています。この機器では密閉ボトルにサンプリングした分散液に光を照射し、得られる散乱光の強度から分散状態の変化を知ることができます。
上記はその機器を用いてエマルション分散液の評価を行った事例ですが、エマルションの合一が起こったことが引き金となり、クリーミングが起こっていることが時系列で分かり、またその度合い評価も可能です。昨今ではポリマーやCNF(セルロースナノファイバ)など分散状態の安定化のために添加される材料が出てきており、分散系も複雑化していますがそれらの評価にも対応しています。