X線金属成分分析器 X-MET8000 Optimum
- 概要
X-MET8000 Optimumとは
X-MET8000 Optimum(エックスメット8000オプティマム)は、作業現場で簡単に合金の成分分析/判別検査をするために開発された金属成分分析器です。防滴防塵規格に準拠した堅牢な設計で雨、チリ、熱に強い現場用の装置です。さらにシリーズ最小サイズ、最軽量(本体重量1.3kg)を実現しました。非鉄金属の分析に最適なスタンダードモデルです。
オプティマムは軽元素(マグネシウム、シリコン、アルミ、リン、硫黄)を、高精度かつ高速に分析できます。アルミ合金、マグネシウム合金、亜鉛合金、チタン合金、ステンレス鋼、耐熱鋼、合金鋼、ハイス鋼、ダイス鋼、超硬、銅合金、ニッケル合金、コバルト合金、貴金属、スーパーアロイ、亜鉛合金、ジルコニウム合金、など多くの合金種の元素分析が可能です。アルミ青銅、アームス合金、リン青銅、6-4チタンもほんの数秒で分析します。また鉄鋼中の微量クロム、マンガン、リンの高精度分析にも最適です。
X線装置届出について
エックスメットシリーズはエックス線を使用します。ご使用には所轄の労基署へ届け出が必要です。届出のテンプレートは弊社にて用意いたします。ご不明な点は担当までお問い合わせください。
中小企業経営強化税制について
エックスメットシリーズは上記の税制優遇の対象製品になり、生産性向上設備(A類型)で工業会の認定を受けています。即時償却、または税額控除7%(資本金3千万円以下、個人事業主は10%)が可能です。特別償却、税額控除により納税額の減額ができます。詳細は担当までお問い合わせください。
SUS304
ザ・ステンレス。組成は鉄に18Cr、8Ni。SUS316と並びオーステナイト系ステンレスの代表格である。JISには銅分の制限値は明記されてないが、リサイクルでは0.5%までが望ましい。SUS304CuやXM7など銅分の高いものもあるので注意。またシリコンを3%ほど添加したものもあるため、軽元素が検出できる分析器で測定することが好ましい。加工具合によっては磁石に引くものも多く、磁石だけでSUS304の識別をすることは推奨しない。
Cr | Ni | Fe | |
成分値 | 18% | 8% | 残 |
非鉄金属の分析
スタンダードモデルのオプティマムは、マグネシウム、アルミ、シリコン、リン、硫黄の検出ができます。多くの非鉄金属にはこれらの軽元素が添加されており、エントリーモデルでは識別できない合金種も検査できます。
アルミ合金も正確に分析可能
オプティマムはアルミ合金の細かな分析も可能です。
・A5052とA5056の判別
・A6063とA6061の判別
・A6063とA7075の判別
リン、硫黄など軽元素も高感度で検出
従来の分析器では難しかったリン、硫黄も感度よく検出できます。
・ステンレス鋼に含まれリン、硫黄濃度の分析
・高力黄銅、アルミ青銅に含まれるアルミ成分の検出
・ニッケルめっきに含まれるリンの検出
コリメーター機能
対象物が小さいときは、便利なX線 絞り機能を使用できます。内蔵カメラで標準を合わせれば、溶接部や数ミリのサンプルも分析できます。
レポート出力、通信機能
オプションの専用無線プリンターを使えば、その場で分析結果をプリントアウトできます。また装置本体にUSBメモリを接続して、PDFまたはCSVで出力することも可能です。一括ダウンロードする場合は、装置本体とパソコンをUSBケーブルで接続すれば、ウェブブラウザ上の画面で管理できます。WiFiネットワークを組んでワイヤレスにデータ送信も可能です。また、バーコードリーダーでサンプル名をスキャンし、リアルタイムでデータをサーバに無線送信できます。異材の混入を防ぐシームレスな品質管理にお役立てください。
IP54防滴防塵規格に合格
スクラップヤードや製造現場での使用に耐えれるようなタフネスさを兼ね備えています。雨、塵、熱に強く屋外ヤードでも安心して使用できます。
冷却はペルチェ素子を採用
安定した分析結果を出すために、電子冷却機構を搭載しています。頻繁な校正作業も必要なく、ピクセルシフトによる悪影響を低減しています。
検出元素(35元素以上)
マグネシウム/アルミニウム/シリコン/リン/硫黄/
チタン/バナジウム/クロム/マンガン/鉄/コバルト/ニッケル/銅/亜鉛/ヒ素/セレン/イットリウム/ジルコニウム/ニオブ/モリブデン/パラジウム /銀/カドミウム/インジウム/スズ/アンチモン/ハフニウム/タンタル/タングステン/レニウム/イリジウム/プラチナ/金/鉛/ビスマス
主な仕様
寸法 W93 x L210 H272mm
総重量 1.5kg
バッテリー リチウムイオン電池(稼働8時間)
充電時間 約5時間
励起方法 エックス線
管球 40k or 50kVロジウムターゲット
検出元素 マグネシウムからウランの35元素
検出器 SDD
測定モード FP法
測定スポット 10.7 x 9.4mm直径
測定時間 1-120秒(ユーザー設定可能)
防滴防塵規格 IP54準拠
使用温度 -10℃から50℃
スクリーン 4.3インチタッチパネル
内部メモリ 16GB(10万回測定分)
対応言語 日本語、英語、中国語など13言語に対応
レポート機能 パソコン接続、USBメモリ出力、WEBブラウザでテンプレート編集可能(PDF、CSV形式)、Wi-Fi通信
付属品
バッテリー2個、バッテリー充電器、専用ケース、SUS316標準試料、Windowフィルム(5個入)、放射防止用シールド、取扱説明書
オプション
専用Bluetooth対応無線プリンター、卓上スタンド+安全シールド、ベンチトップスタンド
コリメーター機能、内蔵カメラ
導入事例【PMI検査 – プラント】
石油プラント、化学プラントにおける高温環境下のパイプやバルブ、溶接、ボルトなどの合金を現場で成分分析し合金品種をその場で測定ができます。
~プラントにおける合金品種測定の特長~
- 高温環境での測定
- 稼働中のプラント現場に持ち運んでの測定
- 高精度な測定
導入事例【PMI検査 – 金属加工】
製造業における品質は、製品の品質が重要になります。また、金属加工における鋼材の品質を保証する書類としてはミルシートがあります。ただ、ミルシートのデータ改ざんや異材混入、材料の取り間違えは書類だけでは防ぐことが難しく、金属加工の各プロセスで合金品種をその場で測定する必要があります。
~金属加工において材料判別が必要なプロセス~
- 受入:材料の受入検査
- 加工:加工時の異材混入の確認
- 出荷:出荷時の検査
・(OES)PMI-MASTER Smart 炭素(C)、リン(P)、硫黄(S)も測定可能 →リンクはこちら
・(XRF)X-MET8000 Optimum 蛍光X線で様々な鋼種を非破壊分析 →リンクはこちら
・(LIBS)VULCAN レーザー方式で軽金属を1秒で測定 →リンクはこちら
判別合金種
・アルミ合金、マグネシウム合金、亜鉛合金、チタン合金
・ニッケル合金、ステンレス鋼、耐熱鋼、低合金鋼、ダイス鋼、ハイス鋼
・銅合金、コバルト合金、、ジルコニウム合金
・貴金属
・分析例
アルミ合金5052、5056、6061、6063、7075の分析
アルミ合金に含まれる有害元素ビスマス、スズ、鉛の分析
可鍛コロ、新断に含まれる微量クロム、マンガンの分析
砲金粉、真鍮粉、高マンガン粉、アームス粉の分析
リン青銅に含まれるスズ濃度の分析
水道管バルブに含まれるスズ、ビスマス濃度の分析
真鍮に含まれる銅、亜鉛濃度の分析
ダライ粉、パウダー金属、特金、超硬の分析
ステンレス鋼に含まれるニッケル、銅濃度の分析