粉体流動性試験器 BEP2
- 概要
- 特徴
- 仕様
製薬用粉末は、粒子径によって分類される非常に微細な乾燥した粒子が多数集まったバルク固体です(USP Chapter<811>粉末の細粒度を参照)。粉体は錠剤、カプセル及び吸入剤のような、他の投与形態として広く採用されており、加えてクリーム、ポイントメントまたはペーストのような半固体を作るための添加剤としても使用されます。製薬産業において、この様な非常に広範な用途として粉体が使用される事となり、粉体の物理的特性を規定する、「流動性」や「密度」を測定する必要が出てきました。「密度」の測定に関しては、「かさ密度」と「タップ密度」の二種類の試験方法があります。
「かさ密度」は、「タッピングダウン」前の粉体試料の重さを体積で割ることにより表されます[g/mL]。これは粉体を「流し込む」様にして容器に入れた時の体積を測定するもので、粒子間空隙の体積の寄与を含みます。
一方、「タップ密度」は、「タッピングダウン」後の密度です。これは、粉体を入れた容器を一定の距離持ち上げ、落下させる事で粒子間空隙が変化した体積を測定します。
製薬工業における粉体の広範囲な利用は、粉体の流動性や密度を評価するための種々の試験法が考案されてきました。
粉体の流動性に関して薬局方において新しく調和合意した章(米国薬局方 第1174章および欧州薬局方 第2.9.36章)には、測定法の範囲内である程度の標準化を達成することを目的として、粉体の試験のための四つの明確な測定法が記載されています。
- オリフィスからの流出速度測定法
- 安息角測定法
- せん断セル法
- 圧縮度とHausner比測定法
新しい流動性試験器 BEP2は、薬局方で引合いに出された四つの測定法のうち三つを含む製薬粉体を試験する一連のオプション、それらは、オリフィスからの流出速度測定法、安息角測定法およびせん断セル法を提供し、費用効果のよい装置です。装置はまた、欧州薬局方 第2.9.16章に従って流動性の試験に適しています。オプションの天秤・タイマーは、時間対質量の試験を簡便化します。
BEP2は、交換が簡単な円筒状容器、ファネル、安息角およびせん断セルのアタッチメントを備えた使いやすく、小さな設置面積の装置です。
圧縮度およびHausner比を試験するために、米国薬局方 第616章および欧州薬局方 第2.9.15章に記載されている一連のタップ密度計およびかさ密度計(Scott Volumeter)を提供しています。
流動特性 | 安息角 |
非常に良い | 25 – 30 |
良い | 31 – 35 |
やや良好 | 36 – 40 |
普通 | 41 – 45 |
やや不良 | 46 – 55 |
不良 | 56 – 65 |
極めて不良 | > 66 |
粉体流動性試験器BEP2は、JP17(参考情報G2)、EP 2.9.7およびUSP <1216>に準拠しています。
- 特徴
円筒状容器アタッチメント(オリフィスからの流出速度測定法)
粉体が既知の大きさのオリフィスを通過するのに要する能力と時間を測定することは、粉体の流動性を定量化するのに役立つ方法です。
円筒状容器アタッチメントには、容量200 mLのステンレス鋼製シリンダーと共に、20枚一組の交換可能なステンレス鋼製ディスク(それぞれのディスクの中央部には、それぞれ4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34と36 mmの精密な穴が加工されています)が付属しています。
2つの方法、(a) 質量対時間の測定に基づく定量的な流動性測定を行うために、(b) 比較測定に基づく流動度の形で粉体の固有の流動性を決定するために、円筒状容器を使用できます。
ファネルアタッチメント(オリフィスからの流出速度測定法)
例えば、測定の目的がホッパーや他の製造過程における流動性をシミュレーションするような特定の場合、円錐台の形のファネル(欧州薬局方 第2.9.16章 for Flowabilityに記載)を使用することが好ましい場合があります。容量400 mLのステンレス鋼製ファネルと共に10、15と25 mmの開口サイズの3つのノズルが付属しています。
安息角測定アタッチメント
息角は、顆粒状物質を水平板上に落下させたときに形成される円錐形の堆積体の角度(水平面に対する)です。それは、関連する材料の密度、表面積や摩擦係数に関連があります。
安息角測定アタッチメントは、測定範囲0~300 mmのデジタル高さゲージと共に直径100 mmの円板から構成されます。
この特定の測定のために、ファネルには通常、測定台から75 mm上部に内径10 mmの特製ノズルを取り付けます。必要に応じて、粉体の流出を助長させるために内容物を撹拌できます。
安息角(°)は、高さゲージのデジタル表示から円錐の高さをmmで読み取り、それを50で割り算すれば決定できます。
せん断セルアタッチメント
せん断セル測定法は、粒が細かい粉体やとバルク固体の流動特性やそれらが貯蔵容器、ホッパー、フィーダーや他の取扱い装置の中でどのような挙動をするか決定するために製薬工業において広く使われています。
この試験では、準備されたバルク材料の試料を通して円形のディスクをせん断するのに要する力を測定します。最初にサンプルは、かさ密度が測定できるような荷重で圧密されます。理想的には、これは実際に材料が受ける荷重と同様であるべきです。試験セルの底部を密封するアクリルディスクを取り除き、サンプルが破壊する(せん断する)まで、適当な余裕のある容器に漏斗を使って砂を注ぐことによって、測定サンプルに荷重を絶え間なく加えます。 結果は、かさ密度、せん断強度、そして、必要に応じて、必要とされる装置排出口の口径の形で表わしてください。
アクセサリ
バランス/タイマーアタッチメント
外部ストップウォッチを必要とせずに、CylinderまたはFunnelメソッドのいずれかを使用して、時間と質量のテストを実施します。
BEP2用の静電気防止接地キット
BEP2静電気除去キットを使用して、静電気の干渉を低減します。
- 仕様
薬局法準拠 : JP17(参考情報G2)、EP 2.9.7、USP <1216>
測定法 : オリフィスを通る流れ、安息角、せん断セル
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