in situ 非接触式 ナノ粒子径測定装置 VASCO KIN

- 概要
- 特徴
- 仕様
- 導入事例事例
in situヘッドを用いたVASCO KINの測定は、動的光散乱方式(DLS)により0.5nm~数μmまでの粒子径分布を非接触で簡便に評価できます。
原理
動的光散乱式(DLS)の特徴
DLSでは可視光レーザーを懸濁液に照射し、粒子のブラウン運動によって散乱した後方散乱光を経時で検知します。そこから①散乱光のゆらぎを測定します。この散乱光のゆらぎを②自己相関関数に解析・変換し、ストークスアインシュタインの式を用いて解析の理論式とのフィッティング法により③粒子径分布を算出します。
DLSには以下の特徴があります。
・数μm以下のナノ粒子が主に対象
・装置は比較的小型
・定義径は流体力学径(電気二重層や吸着高分子を含んだ径)
・溶液の屈折率、粘度が必要
・基本的にはIntensity基準での粒子径分布で評価
・粒子屈折率がわかればvolume、number基準での粒子径分布も評価可能
In Situヘッドによる非接触測定
“in situ”測定を行うには理想的な装置です。レーザーを照射する窓さえあればどこでも測定可能で、例えばガラス瓶のまま測定を行うことが可能です。
本プローブヘッドを用いた測定には以下の特徴ががあります。
・設置が簡便で、小型でプローブ型の検出器により狭い場所でも設置可能
・自動的に粒子径を測定してデータ蓄積可能
・メンテナンス不要、消耗品不要
・ガラスキャピラリーのような細い管中の粒子分散溶液の測定も可能
・頑丈かつコンパクトな設計で、過酷な産業プロセスモニタリングに最適
・ナノ粒子合成過程、透明容器内のサンプルの貯蔵安定性などのモニタリング可能
*測定中は液体はほぼ停止している必要があります。
VASCO KINのアプリケーション
アプリケーションノートはこちら
「市販シリンジ内のナノ粒子およタンパク質のDLS非接触サイズ測定」
「シリンジ中のワクチン注射液のたんぱく質凝集のモニタリング 非接触-粒子径分布測定技術」
「ナノ粒子の粒子径測定に最適な動的光散乱式の特徴と、テーブルセル式・In-situ式測定装置の有用性」※雑誌記事
磁場下の非接触での粒子径測定
磁場により熱を発する粒子に磁場をかけたときの熱発生現象をモニタリング評価
シリンジ中の薬剤のモニタリング
貯蔵容器内でそのままで測定することで真の貯蔵安定性を評価できます。
オートサンプラーを組み合わせた測定のオートメーション化
オートサンプラーと組み合わせることで、測定サンプルをオートサンプラーで測定ヘッド前に自動で移動させ、自動測定することができます。
その他にも、下記のような使用例がございます。
- ナノ粒子合成のモニタリング
- マイクロ波によるナノ粒子合成 “In situ” 測定による反応速度のモニタリング
- 超臨界二酸化炭素合成反応装置内における粒子径計測
標準サンプルの測定例
ポリスチレン 100nm 標準サンプル
世界的に標準となっているNISTのポリスチレンを、バイアル瓶中で測定しました。
サンプリング不要で妥当性の高い結果が得られることが証明されています。

シリカ分散溶液(LUDOX🄬)

リモートヘッド
- 特徴
●希薄系、濃厚系の測定が可能(0.0001~40w%)
●短時間で測定可能
●複数の解析アルゴリズムを選択可能
●高分解能アルゴリズムの採用によりわずかな凝集体や微粒子の検知も可能
●自動でレポートを作成 データのまとめも簡単に
●4種類のリモートヘッドをご用意
in situリモートヘッド

用途
- 非接触によるin situでの測定
- 過酷環境、高圧環境、高温環境での測定
- 有毒または不安定なサンプルの測定
- 工業プロセスのモニタリング
主な利点
- プロセスのナノ粒子の成長/運動のモニタリング
- 非侵襲的/非破壊的で短時間での測定
検出角度 | 170° |
測定距離 | 7-8cm ※他の距離については特注対応可能 |
最小サンプル量 | 10μL以下 |
溶媒適合性 | あらゆる溶媒が可能 |
重量 | 400g |
寸法(ヘッド) | 120x25x50 mm (LWH) |
寸法(ケーブル) | 通常2m ※その他の長さについては特注対応可能 |
高濃度測定用DTCリモートヘッド

用途
- 高濃度および不透明なサンプル
- バッジ式による測定
主な利点
- 設置面積が小さく、接続してすぐの使用が可能
- 希釈なしの原液評価
- 消耗品なし
検出角度 | 135° |
濃度範囲 | 0.0001-40% ※サンプルによって異なります |
サンプルセル | 耐溶剤性内蔵セル、高耐薬品性溶融シリカプリズム製 |
最小サンプル量 | 4μL以下 |
重量 | 3.5kg |
寸法(ヘッド) | 250x185x110 mm (LWH) |
温度制御リモートヘッド
用途
- 温度制御セルによるバッチ測定(最大90℃)
- バッジ式による測定
主な利点
- 相互汚染のリスクなし
- 有機溶媒と互換性あり
- 設置面積が小さく、接続してすぐの使用が可能
検出角度 | 170° |
測定温度 | 10-90℃ |
キュベットタイプ | 10x10mmの一般的なキュベットセル対応 |
重量 | 500g |
寸法 | 235x90x100 mm (LWH) |
流体測定リモートヘッド

用途
- マイクロ流体チップの出口での配合のサイズ分布
- さまざまな流量での配合のリアルタイム制御
主な利点
- 他のセットアップとの簡単な結合
- リアルタイムでのプロセス制御
- 交換可能なガラス製のミリ流体チャネル
検出角度 | 130° |
粒子濃度範囲 | 0.00001-10% ※サンプルによって異なります |
測定セル | 1mm,2mm,4mmの内径のガラス毛細管 |
最小サンプル量 | 10μL |
サンプル流量 | 毛細管径に応じて0.0-20 mL/分 |
重量 | 1kg |
寸法 | 265x85x145 mm (LWH) |
- 仕様
測定項目:粒子径分布(動的光散乱法)
粒子径分布測定
測定範囲*1 | 0.5~10,000nm |
検出器 | APD(アバランシュ・フォトダイオード) |
レーザー光源 | 658nm、65mW(オプション:532nm) |
In Situヘッド作動距離 | 4~40cm(アプリケーションに依存) |
In Situヘッド 光ファイバーコード長 |
1~20m(標準品:2mm) |
測定時間*2 | 通常約30秒 2秒 ~ 12時間 最短データ取得開始時間 200ms |
温度センサー | PT100センサー、測定精度 +/- 0.1℃ |
解析アルゴリズム | Cumulants、Pade-Laplace、SBL |
レーザー安全クラス | Class Ⅰ |
サンプル
試料濃度*3 | 0.0001~40vol% |
サンプル調製 | その場で(In Situ)測定 |
分散溶媒 | 水系および有機溶剤系 |
最小量 | 50μL以下(セルに依存)、10mL瓶で5mL程度 |
操作性
ウォームアップ時間 | 5分以内 |
設置環境温度 | 15~40℃ |
保存環境 | -10~50℃, 70%以下(結露しない事) |
寸法・ユーティリティ
概略 | W500×D500mm程度の作業スペースで設置可能(本体、PC) |
本体寸法 | 制御部: 220 x 220 x 64 mm(HWD) / 約3kg ヘッド: 50 x 25 x 120 mm (HWD) / < 0,5 kg |
電源 | AC100V 50/60Hz 約10A 40W以下 |
- 導入事例